合成燃料の共同プロジェクト、チリでパイロットプラントを着工

独エネルギー設備大手のシーメンス・エナジーや独高級スポーツカーメーカーのポルシェなどが参加するパイロットプロジェクト「Haru Oni」は10日、南米チリのプンタ・アレーナスで、再生可能エネルギーを使用して合成燃料を生成するパイロット施設の鍬入れ式を行った。同施設では、2022年半ばから生産を開始する予定。

同プロジェクトでは、風力発電エネルギーを使用してグリーン水素を生成する。次のステップとして、大気から二酸化炭素(CO2)を抽出し、グリーン水素と反応させてエタノールを生成する。生産規模は2022年に約13万リットル、2024年までに年約5,500万リットル、2026年までに年約5億5,000万リットルとする計画。

ポルシェは、合成燃料の使用により、内燃エンジン車の二酸化炭素(CO2)排出量を最大90%削減することができるとしている。チリで生産した合成燃料は当初、モーターレース「ポルシェ・モービル1 スーパーカップ」に投入するレース車両に使用する予定。

当該プロジェクトには、プロジェクト組織HIF(Highly Innovative Fuels)、チリ石油公社(ENAP)、イタリアの電力大手エネル、米石油大手のエクソンモービルなどが参加している。プロジェクト組織HIFは、チリの電力大手AMEが所有者となっている。

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