英JLR、皮革素材調達の透明性向上にブロックチェーン技術を活用

英高級車メーカーのジャガーランドローバー(JLR)は13日、ブロックチェーン技術を活用し、皮革素材のサプライチェーンにおける持続可能性を高めていくと発表した。ベンチャーキャピタル(VC)子会社の「インモーション」を通じて資本参加する英サーキュラーのブロックチェーン技術を活用して原材料の追跡可能性(トレーサビリティ)を確保する。当該事業では他に、皮革製品大手のブリッジ・オブ・ワイル及びノッティンガム大学と提携する。

サーキュラーは、全地球測位システム(GPS)や生態認証、QRコードを組み合わせて皮革素材のサプライチェーンからデータを取得し、調達経路をデジタル空間に再現したデジタルツインを作成する。これにより供給網全体がデジタル化され、より正確な追跡と検証が可能になり、二酸化炭素(CO2)の排出量についても評価できるようになる。JLRがブリッジ・オブ・ワイルと共同で実施した試験では、革原料の生産者から完成品に至るまで、JLRの中でも最も低炭素な経路を確認できたという。

JLRはボルボ・カーなどと異なり本革の不使用を打ち出してはいないものの、代替素材の開発と導入を進めている。すでにレンジローバー「イヴォーク」の内装材にユーカリ原料の植物性繊維を採用したほか、スウェードと組み合わせたウール混紡の高級繊維「クヴァドラ(Kvadrat)」を「イヴォーク」と「ヴェラール」、およびジャガー「Iペース」に使用している。

上部へスクロール