中国の電池セルメーカー、ファラシス・エナジー(孚能科技)とトルコの国産電気自動車(EV)の開発に取り組むTOGGは11月30日、折半出資の合弁会社の設立について合意したと発表した。自動車およびその他の用途向けの蓄電池の開発・生産で協力する。合弁会社の蓄電池は、TOGGの車両に搭載するほか、他の自動車メーカーにも供給する予定。中期的には、自動車以外の用途にも製品を供給していく。両社は2020年10月に趣意書を締結していた。
合弁会社SIROの本社は、トルコの「ITバレー」とされるゲブゼ近郊のBilisim Vadisiに置く。工場はBilisim Vadisiから車で約30分の距離にあるゲムリクに建設する。同工場は2022年下半期に操業を開始する予定。TOGGもゲムリクの工場で車両を生産する計画。
合弁会社は当初、ファラシス・エナジーのバッテリーセルを使用してバッテリーモジュールとバッテリーパックを生産するが、将来的にはゲムリクでバッテリーセルも生産する方針。
Bilisim Vadisiには、研究開発拠点も設ける。ファラシス・エナジーの技術を活用したニッケルマンガンコバルト(NMC)系のリチウムイオン電池を開発する計画。中期的には、自動車以外の用途向けの電池も市場投入する方針。
ファラシス・エナジーは、今回の合弁設立により、欧州および国際的な事業展開を強化する。なお、ドイツ北東部に位置するザクセン・アンハルト州の経済省は2019年に、ファラシス・エナジーが同州のビッターフェルト・ヴォルフェンにバッテリー工場を建設する計画について発表しているが、ファラシス・エナジーは今回の発表に際し、ドイツ工場の建設計画については言及していない。