英自動車生産、11月は28.7%減少

英自動車工業会(SMMT)は12月23日、同国の2021年11月の乗用車生産が7万5,756台となり、前年同月に比べ28.7%減少したと発表した。7月から5カ月連続の減少となる。長引く半導体不足に加え、ホンダの英国工場が7月末で閉鎖したことも大幅な減少の背景にある。1~11月の累計は、前年同期比6.2%減の79万7,261台だった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(パンデミック)前の2019年の同期比では43万2,794台少なく、2015~2019年の過去5年間の平均(146万4,702台)との比較では66万7,441台も落ち込んでいる。

11月の生産のうち、電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)は全体の32.7%を占めた。このうちBEVの生産は1万359台で、13.7%を占めている。1~11月の累計では、BEV、PHEV、HEVの割合は全体の25.5%だった。

また、11月の生産のうち、国内向けは前年同月比で18.8%減少し、輸出向けも30.4%減少した。輸出は全体の80%以上を占めている。また、輸出のうち、欧州連合(EU)向けは60.3%と大部分を占めている。

英国の国境では、EU離脱の移行期間が終了した後に導入されていた輸入通関申告の猶予措置が終了となり、2022年1月1日からEUからグレートブリテン島への輸入手続きにおいて完全な通関申告が導入される。SMMTによると、産業界は完全な通関申告について準備しているものの、英国の国境での通関手続きの導入に伴い、物流に遅延が発生する可能性があると指摘している。

■ 商用車生産は7.8%減少

SMMTによると、同国の2021年11月の商用車生産は、前年同月比7.8%減の7,940台だった。国内向けは4.5%増加したものの、輸出向けは16.4%減少している。

1~11月の累計は、年初の生産台数の増加が寄与し、前年同期比12.2%増の6万6,753台となっている。ただ、パンデミック前の2015~2019年の過去5年間の平均(8万25台)との比較では16.6%の減少だった。

■ エンジン生産、30.2%減少

SMMTによると、同国の11月のエンジン生産は、前年同月比30.2%減の13万2,555基だった。国内向け(22.4%減)、輸出向け(35.2%減)のいずれも大幅に減少している。

1~11月の累計は、前年同期比9.5%減の153万9,786基。2015~2019年の過去5年間の平均(241万6,313基)との比較では36.3%の減少だった。

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