仏自動車部品大手のヴァレオは12月21日、米ラスベガスで1月5日から8日まで開催される家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES 2022)」で、次世代のモビリティに向けた5つのイノベーションを公開すると発表した。同社はそれらについて、交通のあり方をこれまで以上にクリーンで安全、自律的かつ接続されたものへと変えていく技術や取り組みになるとしている。
5つの中ではまず、CES 2022で初公開される運転支援システムの新技術「ヴァレオNFL(ニアフィールド・ライダー)」が注目される。これは至近距離用のライダー(LiDAR)センサー技術で、車両周囲360°を検知できるため死角が無くなり、安全性が大幅に向上する。また、第3世代となる遠距離ライダー(LiDAR)センサー「SCALA 3」は肉眼やカメラ、レーダーでは認識できない200メートル先の物体をレーザー光で検出する。
この他には、走行中の車の窓ガラスにドローンで撮影したような3Dの360°映像を表示する「VoyageXRパノラマ」や、ドライバーの状態監視、シートベルト着用検知、幼児置き去り検知の各システムで構成する車室内モニタリングシステム「セーフインサイト」、同社の電子制御アシストシステムを搭載した「48ボルトの電動自転車」を公開する。
ヴァレオはCES2022においてこれ以外に、同社と独シーメンスの合弁会社ヴァレオ・シーメンス・イーオートモーティブのパワートレインを搭載した独メルセデスの電気自動車(EV)セダン「EQS」を展示する。同モデルは後車軸に出力300キロワット(kW)のモーターを、前車軸には同170kWのモーターを装備している。また、新型コロナの感染を2分以内に検出する非接触式のデバイスも出展する予定。