米自動車大手フォードの欧州法人(独ケルン)は11日、独キャンピングカーメーカーのアーウィン・ハイマーグループ(EHG)と戦略提携を結んだと発表した。モーターホーム(自走式キャンピングカー)などレジャー用車両(RV)のベース車両として、パネルバン「トランジット」および「トランジット・カスタム」を供給する。RV市場向け製品の共同開発も行う。提携を通じ、フォードは今後成長が見込まれるRV市場の開拓を、EHGはベース車両の安定調達を狙う。
両社はRVに関連する顧客ニーズや環境・排ガス規制、電動化、デジタル化、コネクティビティ、運転支援システムなどについてお互いの知見を持ち寄るほか、フォードブランドのRVモデルの開発でも協力する。ベース車両はフォードのトルコ・コジャエリ工場で生産し、今年から2024年にかけて供給する。EHGはポップアップ・ルーフを備えた小型キャンピングカーの需要が伸びると予想しており、「トランジット・カスタム」をベースにしたモデルを生産していく意向だ。
EHGはRVの世界最大手である米ソア・インダストリーズの傘下企業。フォードは1980年代にもEHGに「トランジット」を供給した実績がある。