スイス・ドイツ系の燃料電池メーカーであるHEXISがこのほど、欧州連合(EU)のClean Hydrogen Partnershipとの合意を経て、欧州プロジェクト「PACE」の参加メンバーに加わった。PACEは欧州における家庭用燃料電池(マイクロCHP)市場の拡大を促進するため、2016年に始動した官民パートナーシップ(PPP)事業。HEXISは、PACEの資金支援を受けて、より魅力的で競争力のある価格で同社のマイクロCHP「レオナルド」を一般家庭や小規模事業者に提供できるようになる。
「PACE」を通して販売するマイクロCHPには、プロトン交換膜(PEM)燃料電池または固体酸化物形燃料電池(SOFC)が使用されている。HEXISの参加により、プロジェクトに参加するマイクロCHPメーカーは、BDR Thermea、BOSCH、HEXIS、SOLIDpower、Sunfire、 Viessmannの6社となった。
■ プロジェクト実施期間を延長
Clean Hydrogen Partnershipは、HEXISの参加に加え、「PACE」の実施期間を2023年4月まで延長することで合意した。なお、プロジェクトに参加するメーカーは、2022年10月までに販売・設置したマイクロCHPに対してのみ「PACE」の助成を受けることができる。
HEXISは、ヴィンタートゥール(スイス)とコンスタンツ(ドイツ)に拠点を置く。2020年からはインドのh2e Power Systemsの傘下に入っている(h2e Power Systemsはドイツ子会社mPowerを通してHEXISに出資)。HEXISは2021年に、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を使用したコジェネシステム(電気出力:1.5kW、熱出力:2.1kW)を発売している。
「PACE」にはこのほか、COGEN Europe、Element Energy (ERM Groupの一部), デンマーク工科大学(DTU)、ルツェルン応用科学芸術大学(HSLU、スイス)が参加している。
PACEのプロジェクト予算は約9,000万ユーロ。うち、約37%をClean Hydrogen Partnershipが支援しており、残りはプロジェクトに参加するメーカーが負担している。