スウェーデンのベアリング大手SKFは8日、同国の特殊鋼大手オバコ(Ovako)と協力し、製造工程における温室効果ガスの排出量が従来品より90%少ない球面ころ軸受(SRB)の開発に成功したと発表した。排出量正味ゼロ(ネットゼロ)のベアリング生産を目指す同社の取り組みにとり重要な一歩だとしている。
同軸受はオバコのホーフォーシュ(Hofors)工場からリサイクル鋼を調達し、SKFのイエーテボリ工場で製造する。製品はすでにホーフォーシュ工場のクレーン設備に使われている。
SKFは2030年までにすべての事業においてネットゼロを達成する目標を掲げており、ヨーテボリ工場はネットゼロを実現した3番目の工場となる。同社はスクラップ材を原料とする鉄鋼生産の二酸化炭素(CO2)排出量削減に向けた取り組みと同様に、提携企業との協力を通じて鉄鉱石ベースの生産でもネットゼロを目指している。
オバコはリサイクル材含有率97%の製品と非化石燃料の利用により、全社的な排出量ネットゼロを達成している。