独地域電力会社とアウディ、電気自動車の充電データを収集

独バイエルン州の地域電力ネットワーク運営会社バイエルンベルク・ネッツ(Bayernwerk Netz)は18日、独自動車大手のアウディと2021年4月から実施してきた1年間の電気自動車ユーザーの充電行動に関するデータ収集プロジェクトが終了したと発表した。収集したデータは、電気自動車が今後増えることを想定した電力網の整備計画や、料金体系の構築などに役立てる。

当該プロジェクトでは、バイエルンベルク・ネッツの従業員20人にアウディの電気自動車「eトロン 55 クワトロ」および特別な制御・計測機能を装備したウォールボックス型充電器を日常生活や休暇、遠距離の外出に使用してもらった。

また、独ソフトウエア会社Veniosが提供するクラウドベースのプラットフォームにより、プロジェクトに参加した世帯の仮想低電圧ネットワークを構築し、各世帯のエネルギー消費や充電プロセスに関するデータを仮想ネットワークにリアルタイムで送信した。これにより、電力ネットワークの利用状況や電気自動車の充電により増える電力需要を把握できるようにした。

今回のプロジェクトでは、平均して約80~90%のユーザーが自宅で充電していた。なお、充電にかかる時間は約3~4時間で、夕方に帰宅してから翌朝出勤するまでの時間は10時間以上ある場合も多い。このため、当該プロジェクトでは、料金体系の工夫などにより、電気自動車の充電が電力需要の高い夕方以降に集中しないようにユーザーを誘導する仕組みを構築する余地があることが確認されたとの分析を示している。

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