スウェーデンの新興電池企業ノースボルトは、ドイツ北部のシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州のハイデにバッテリー工場を建設する計画を延期する可能性について検討している。ノースボルトのピーター・カールソン社長が10月30日付の独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ(日曜版、FAS)』に明らかにした。ドイツのエネルギー料金が急上昇していることに加え、米国政府がバッテリー工場の建設に巨額の補助金を拠出する方針を打ち出しており、米国への投資を優先する可能性があると言及している。
ノースボルトは2022年3月にハイデ工場の建設計画を発表した。FAS紙によると、同社は今夏までに投資について最終決定する意向だったが、10月半ばの時点でまだ保留状態になっている。カールソン社長はFAS紙にこれについて、「我々は引き続きハイデ工場の建設計画を維持している」と述べた上で、「今後数年は米国への投資を優先し、独工場については当初計画より建設が遅れる可能性ある」と明らかにした。
FAS紙によると、米国政府の助成により、同国では生産コストが30~40%下がる見通し。ノースボルトの試算では、ハイデ工場と同規模の工場を米国に建設した場合、6~8億ドルの助成金が得られるという。これに対し、ドイツ政府の補助金は1億5,500万ユーロであるという。