独商用車大手のダイムラートラックは16日、メルセデス・ベンツの燃料電池トラックのプロトタイプ「GenH2 Truck」が公道で実施した初の高地走行テストを成功裏に終了したと発表した。今回の高地走行テストは主に、欧州の貨物輸送の幹線道路であるオーストリアとイタリアの国境のブレンナー高速道路で実施した。
1週間のテスト期間中に、典型的な重さの貨物を積んだセミトレーラトラックが、ボルツァーノ(イタリア)とインスブルック(オーストリア)間の約120キロメートルの距離を繰り返し走行した。ボルツァーノには水素ステーションがあり、走行テストの拠点とした。ハイライトの一つは、標高2,211メートルのペンサーヨッホまでの運転。過酷な地形での走行テストで得られた結果は、今後の開発に生かしていく。なお、2023年も山岳地域で走行試験を実施することを計画している。
「GenH2 Truck」は、量産モデルの航続距離が1,000キロメートル以上となる予定。2020年代の後半に量産を開始する見通し。