スペイン自動車部品大手のゲスタンプは1日、金属廃棄物処理大手ゲスクラップ(Gescrap)の株式の33.3%を取得したと発表した。循環型経済への取り組みを進め、部品生産にリサイクル材料をより多く取り入れるのが目的。二次原料としてスクラップ材の使用を促進することでサプライチェーン全体の排出削減につなげる。株式の取引金額は明らかにしていない。
1994年設立のゲスクラップは自動車業界向けの廃品回収とリサイクルにおける欧州トップ。世界中の大手自動車メーカーの廃棄物管理を請け負っており、高品質のスクラップ管理に定評がある。
ゲスタンプでは廃棄物の98%が再利用されており、スペイン規格協会(AENOR)から自動車業界として初めて、ごみをゼロに近づける取り組みを証明する「ゼロ・ウェイスト」認定を取得している。昨年10月にはティア1サプライヤーとして初めて、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルの「グリーンスチール証明書」の導入を発表。今年7月には同社と協力し、二酸化炭素(CO2)の排出を抑えた低炭素鋼の試験利用に成功したと発表した。