欧州自動車大手のステランティスは18日、フィンランドの電池用化学品大手テラファメ(Terrafame)と、電気自動車(EV)バッテリー向けの硫酸ニッケルの供給契約を結んだと発表した。完全電気自動車(BEV)の販売拡大を目指す経営戦略「デア・フォワード2030」の一環。低炭素で透明性(トレーサビリティ)のあるテラファメの製品を使うことでEVバッテリー生産のバリューチェーンの強化を図る。契約期間は2025年から5年間。
テラファメは国営鉱業企業フィンニッシュ・ミネラルグループが株式の71.8%を保有する。採鉱から製品化までを垂直統合する生産プロセスにより完全なトレーサビリティを確保している。フィンランド国内にある電池用化学品工場は世界最大級。製品の硫酸ニッケルは二酸化炭素(CO2)排出量が少ないことで知られる。
ステランティスは2030年までにBEVの販売比率を欧州(乗用車)で100%、米国(乗用車、軽商用車)で50%に引き上げることを目指している。