オランダ政府は20日、国内での新たな天然ガス・油田の探査を制限すると発表した。脱炭素化を推進するためで、オンショア(陸上)での油田を禁止し、ガス田探査も制限する。
オンショアのガス田探査は、すでに認可されている案件に限って認める。一方、油田については、新たな探査、採掘の免許を交付しない。オフショア(北海)でのガス田探査に関しては、ロシア産ガスへの依存を減らすため継続する。
政府は今回の決定について「持続可能な代替エネルギーへの移行に伴い、ガスは依然として必要だが、家庭へのエネルギー供給を保証するために、石油はもはや必要ない」と説明している。
オランダは欧州有数の天然ガス生産国。北部フローニンゲン州に欧州最大規模のガス田がある。しかし、同ガス田の採掘が地域に地震を引き起こしたため、ここ数年は生産が最小限に抑えられ、24年末には採掘が終了する。今回の、オンショアの新たなガス田探査禁止には、地震リスクに対応する意図もある。
同国では約175カ所の小規模なオンショアガス田が稼動しており、約4,000億立方メートルのガスを供給している。