SSABのゼロカーボン鋼、デンマークのメネタに供給

スウェーデン鉄鋼大手のSSABは6日、デンマークの自動車部品メーカー、メネタに化石燃料を使わないゼロカーボン鋼材を供給していることを明らかにした。メネタはブレーキ部品などに同鋼材を使用し、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅な削減につなげる。

鉄鋼材はメネタの製品の大半に使われており、温室効果ガス排出削減に向けた国際共同イニシアチブ「サイエンス・ベースド・ターゲット・イニシアチブ(SBTi)」のスコープ3(サプライチェーンからの間接排出)の観点からも大きな課題となっている。同社はブレーキ用のシムやバックプレート、クリップのほか、シーリングやデカップリング用部材へのゼロカーボン鋼材投入に対する市場の期待を踏まえ、同鋼材の採用を決めた。今後、米国、中国、ドイツ、ブラジル、インドの拠点にも導入を拡大し、スコープ3におけるCO2排出量を2026年に5,500~6,000トン、その後数年間で約6万トンの削減を目指すとしている。

ゼロカーボン鋼は、SSABの化石燃料フリーの水素還元製鉄技術「ハイブリット(HYBRIT)」で製鉄した海綿鉄を材料として製造する。同社は2026年中に同鋼材の大規模な出荷を開始するとしている。

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