スウェーデン商用車大手のボルボ・トラックは3月21日、同国の資源大手ボリデンに総重量44トンの大型電気トラック「FH」2台を納入すると発表した。ボリデンは同トラックを、同国北部シェルレフテオーのカンクベルグ鉱山における地下輸送に投入する。
鉱山内での輸送は運搬物の重さに加え、急こう配の道や高い湿度が車両を摩耗させる。ボルボ・トラックとボリデンは「FH」について、当初は坑道支保材のロックボルトや関連機材を鉱山に運搬する用途で使い、その後段階的に岩石や鉱石の地下輸送に投入する計画だ。
ボリデンは2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量の40%削減を目標に掲げており、輸送業務の電動化を進めている。カンクベルグ鉱山の全ての車両が電動化されれば、同鉱山からのCO2排出量を25%以上削減できると見込んでいる。
同社のデニス・フォースランド事業部長は「電気駆動はディーゼルエンジンよりもエネルギー効率が高く、回生ブレーキで電力も回収できるため、鉱山で消費されるエネルギーの総量は少なくなる」と述べた。