独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は電気自動車(EV)のバッテリーシステムや駆動装置の関連部品を極力内製化する方針だ。中核部品の内製化により競争力を強化するほか、内燃エンジンを生産する工場の雇用を維持する狙いがある。8日付の独業界紙『オートモビルボッヘ』(電子版)が報じた。
\VWでは、独自動車部品大手コンチネンタルの前社長であるカールトーマス・ノイマン氏が2009年12月1日付で Eトラクション(Electric Traction)事業の責任者に就任した。同事業はVWのマルティン・ヴィンターコルン社長が直轄。電気駆動装置の開発を加速させる計画だ。VWはリチウムイオン電池の分野ですでに三洋電機、東芝、中国の比亜迪(BYD)と提携している。
\VWは2013年に発売予定の電気自動車「E-UP」のバッテリーシステムも内部調達できるようにすることが目標。従来の内燃エンジンを搭載した「Up」は2011年に市場投入する計画。年内には実用走行試験向けに人気モデル「ゴルフ」の電気自動車を投入する計画もある。
\将来、自動車の需要が内燃エンジン搭載車から電気自動車へ移行すると、内燃エンジンを生産するドイツのザルツギッター工場(約6,200人)が最も影響を受ける。同工場の長期的な雇用維持も電気駆動部品の内製化の背景にある。
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