独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は欧州連合(EU)が計画する軽商用車の二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標を内燃エンジンの改良で実現する方針だ。ハイブリッド車や電気自動車は現時点では価格が高すぎるため、運送事業者などコスト意識の高い顧客には需要が少ないと見込んでいる。VWの商用車ブランド、フォルクスワーゲン・ヌッツファールツォイゲ(VWN)を統括するヴォルフガング・シュライバー氏が独業界紙『オートモビルボッヘ』に明らかにした。
\EUの欧州委員会はEU域内で販売される軽商用車の新車を対象に、走行1キロメートル当たりのCO2排出量を現在の平均203グラムから2014-16年の間に175グラム、将来は135グラムに削減する法案をまとめた。
\シュライバー氏は175グラムの目標を「野心的」としながらも、すでに対策を進めていると説明。一方、135グラムの目標については「非現実的」と批判した。ハイブリッド車や電気自動車に関しては、開発を進めており、プロトタイプの実用走行試験も実施しているものの、具体的な発売計画はまだないと説明。運送事業者などの法人顧客は、調達および運営コストが見合わなければ購入に至らないとして、性能とともに販売価格の低減が課題となるとの考えを示した。
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