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2010/3/19

企業情報 - 自動車メーカー

独カルマン、VWとの関係構築を模索

この記事の要約

経営再建中の独ヴィルヘルム・カルマンが自動車大手フォルクスワーゲン(VW)との協力関係の構築を模索しているもようだ。カルマンの管財人であるオットマー・ヘルマン氏とVWはともに広報担当者を通して13日、協力の可能性を探るた […]

経営再建中の独ヴィルヘルム・カルマンが自動車大手フォルクスワーゲン(VW)との協力関係の構築を模索しているもようだ。カルマンの管財人であるオットマー・ヘルマン氏とVWはともに広報担当者を通して13日、協力の可能性を探るための交渉を行っている事実を認めた。VW側は「提携のあり方や範囲を協議している段階で、具体的な方法や規模は全く固まっていない」とコメントし、「VWはカルマンの車両開発部門を買収して技術者300人を引き継ぐ意向」とした地元紙『ノイエ・オスナブリュッカー・ツァイトゥング』の先走り報道をけん制した。独dpa通信が報じた。

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カルマンは金融危機に端を発する自動車販売市場の低迷で業績が悪化し、2009年4月に倒産した。事業資金の枯渇で会社清算の危機に立たされていたが、VWが同年末に同社のオスナブリュック工場を買収したことで、企業消滅の危機は一旦回避された。

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カルマンは事業売却によって再生を図る方針で、ルーフシステム部門、工作機械部門(メタル・グループ)、技術開発部門の身売り先を探している。ルーフシステム部門についてはカナダ・オーストリア系の自動車部品大手マグナの子会社マグナ・カー・トップ・システムズ(CTS)への売却案が浮上しており、カルテル当局が審査を進めている。一方、残る2部門を「買収」という形で引き継ぎたいとする投資家はこれまでのところ現れていない。このためカルマンはVWとの関係構築に希望をつないでいる。

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