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2010/3/19

企業情報 - 部品メーカー

独ボッシュ、半導体の新工場を稼働

この記事の要約

独自動車部品大手のロバート・ボッシュは18日、ドイツのロイトリンゲンに建設していた半導体工場を稼働させた。新工場では主に、需要拡大が予想されるカーエレクトロニクス向けの半導体チップを生産する。新工場の投資は総額6億ユーロ […]

独自動車部品大手のロバート・ボッシュは18日、ドイツのロイトリンゲンに建設していた半導体工場を稼働させた。新工場では主に、需要拡大が予想されるカーエレクトロニクス向けの半導体チップを生産する。新工場の投資は総額6億ユーロと同社の単発の投資案件としては過去最大の規模。従業員数は拡張工事がほぼ完了する2016年に約800人となる予定。

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自動車向けの半導体チップは、エアバッグや走行安定化装置(ESP)などの安全システムや燃費効率を改善するための制御装置などに採用されている。ボッシュでは自動車1台当たりに搭載される半導体の平均価格が現在の約300ドルから、2020年までに2倍の600ドルに拡大すると予想。2020年以降は特に、電気自動車やハイブリッド車に搭載される高電圧・大電流に対応した半導体製品の需要が拡大すると見込んでいる。

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新工場では、直径200ミリメートルのシリコンウエハーをベースにした半導体チップを1日当たり100万個生産する計画。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、投資の内訳は機械設備が4億ユーロ、建物やインフラ整備が2億ユーロ。生産品目の内訳は、MEMSセンサー、電気自動車やハイブリッド用の高電圧・大電流に対応した半導体製品、ノートブックなどの民生家電向けの半導体がそれぞれ3分の1を占める見通しという。

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ロイトリンゲンは開発拠点に近いほか、ボッシュの他の工場も近くにあることや、技術力のある従業員が多いことが進出の決め手になった。独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ(FAZ)』によると、従業員は新工場に近いロメルスバッハ工場から確保する予定。同工場では独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)向けにディーゼルエンジン用のユニットインジェクター燃料噴射システムを生産していたが、唯一の取引先であったVWが同システムからコモンレール式に転換することを決めたため、昨年末に生産を停止した。

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自動車部品メーカーは通常、半導体製品をインフィニオンやフリースケール、テキサス・インスツルメンツ、STマイクロエレクトロニクス、オランダのNXPなどの半導体メーカーから調達しているが、FAZ紙によると、ボッシュは1971年から半導体を独自で生産。現在、同社が生産する半導体の9割は自動車向けとされている。競合する自動車部品メーカーではデンソーも半導体を生産している。

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