欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲンがイタリアのデザイン・エンジニアリング会社のイタルデザイン・ジウジアーロを買収する可能性が浮上している。業界紙『オートモーティブ・ニューズ・ヨーロッパ(ANE)』が消息筋から得た情報として報じた。
\ANE紙によると、VWが2018年までに世界最大手の自動車メーカーとなる目標を達成するためには、デザイナーやエンジニアの増員が必要となることが今回の買収の背景にある。VWグループは2010年だけでアップグレードも含めて約60種類のモデルを新たに投入する計画だ。
\イタルデザイン・ジウジアーロは1968年の設立。トリノから南へ約15kmのモンカリエールに本社を置く。従業員数は約980人。これまでに初代「ゴルフ」、アルファロメオ「159」のセダンやステーションワゴン、フィアット「グランデプント」などをデザインした実績を持つ。また、スズキ「SX4」(フィアット「セディチ」)の基本デザインも担当している。
\ANEの姉妹紙の独『オートモビルボッヘ』紙によると、VWのマルティン・ヴィンターコルン社長やVWのチーフデザイナー、ワルター・デ・シルヴァ氏はイタルデザインの共同創業者であるジョルジェット・ジウジアーロ氏と長年の交友関係にある。また、VWのフェルディナンド・ピエヒ監査役会長もイタルデザインとは以前から良好な関係にあることから、VWによる買収は順調に進むと見られている。
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