独自動車部品大手のボッシュは電気駆動システムの開発を強化するとともに、内燃エンジンの燃費改善を並行して進めていく方針だ。バッテリー価格が高いため、電気自動車が本格普及するには時間がかかり、今後20年間も内燃エンジンが主流にとどまると予想している。7月1日からガソリンシステム事業を統括しているロルフ・ブーランダー氏が語った。
\ガソリンシステム事業ではガソリンエンジンおよびハイブリッド・電気自動車に関する技術開発や生産を担当しており、事業規模(売上高)は年50億ユーロ。ブーランダー氏は、レンジエクステンダーや代替燃料なども含めた幅広い技術に低コストで対応できる体制を構築することが重要との見解を示している。
\同社では、2020年の新車販売市場を1億台とした場合、電気自動車とプラグインハイブリッド車が約300万台、ハイブリッド車は600万台の規模にとどまると予想している。また、内燃エンジンは燃費をさらに約30%改善できる余地があるとみている。
\ \■ エレクトロモビリティーに年4億ユーロ投資
\ \ボッシュではエレクトロモビリティーの開発に年約4億ユーロを投資し、電子システムや電気モーター、リチウムイオン電池のほか、充電装置や充電ステーション、ナビゲーションシステムも含めた総合的なサービスを提供していく方針だ。
\ボッシュのハイブリッド・電気自動車技術の研究開発には現在、従業員約800人が従事している。さらに、同社は韓国サムスンの子会社サムスンSDIと設立したリチウムイオン電池の合弁会社SB LiMotiveに650人を抱える。
\SB LiMotiveは韓国の蔚山にある工場で、来年に量産を開始する予定。製品は独高級車メーカーのBMWに供給する。現在、複数の自動車メーカーとハイブリッド車や電気自動車のセルやバッテリーの供給について交渉を進めているという。独自動車産業ニュースサイトの『オートモービル・インダストリー』によると、大型受注があった場合、供給先の生産拠点に応じて欧州か米国に新工場を建設することも計画している。
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