EVで600km走行、ドイツで世界記録

電気自動車(EV)でドイツのミュンヘンからベルリンまで約600kmの距離を1回のフル充電で走行する実証試験が実施され、26日朝、ベルリンに無事到着した。一般的に使用できるEVとしては世界記録になるという。

同プロジェクトは独エンジニアリング会社のDBM Energyとオランダのエコ電力会社lekker Energieが共同で実施。独経済省も支援した。

EVはアウディ「A2」を改造した4人乗りモデルで、リチウムメタルポリマー電池を搭載。最高時速は130km、パワーステアリングやエアバッグ、エアコン、ラジオなども装備している。

今回の走行では平均時速90kmで走行、ベルリンの連邦経済省に到着した際の電池残存容量は18%だったという。

lekker Energieのトマース・メッケ社長は同EVについて、「研究は終了した、今後は販売を開始する」と述べ、自動車メーカーへの技術提供に意欲を示した。

■ VW、三洋からバッテリーを調達か

独経済紙『ハンデルスブラット』によると、PAコンサルティング・ドイツ法人(フランクフルト)のエンゲルバート・ヴィムマー氏は今回の試験走行について、「ミュンヘン~ベルリン間を走行するには最低70kW時の電池容量が必要になる。EV用バッテリーの価格は現在、1kW時当たり800ユーロで、電池だけで5万6,000ユーロのコストがかかる」と指摘、日常で利用するEVとしては価格が高くなりすぎるとの見解を示している。

ドイツの自動車メーカーでは、ダイムラーが化学大手のエボニックとバッテリーを開発・生産する合弁会社を設立し、コストダウンに向けた研究を進めている。また、同紙では業界筋の情報として、フォルクスワーゲン(VW)は2013年に発売予定のEV「Up」向けに、三洋から1kW時当たり約300ユーロの電池の供給を受ける見通しと報じている。

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