フランスの首都パリ市と同市周辺の37の自治体は2011年秋に電気自動車のカーシェアリング・プロジェクト「オートリブ(Autolib)」を開始する。同プロジェクトに使用するEVは仏複合企業のボロレが落札した。
\オートリブは、パリで成功している自転車のレンタル事業「ヴェリブ(Velib)」を模範としたサービスで、1,000の駐車ステーションにEV3,000台を配置し、短距離でも気軽に利用できるようにする。料金体系は毎月の登録料金12ユーロに加え、利用時間に応じて、最初の30分は5ユーロ、さらに30分単位で6ユーロを課金する予定。
\ボロレは伊ピニンファリーナがデザインしたEV「ブルーカー」を同プロジェクトに供給する。同モデルはボロレ・グループの子会社バットスカップ(batScap)が生産するリチウムメタルポリマー電池を搭載している。航続距離は約155マイルで、最高時速は80mph。0~60mphの加速性能は6.3秒となっている。
\ \■ 黒字確保は困難も
\ \パリでは渋滞と駐車場不足が深刻化しており、市民の58%は自家用車を持たないことからカーシェアリングの需要は高いと期待されている。ただ、EVの調達コストは高く、パリ市が見込む20万人の登録では赤字になるとの指摘もある。また、ヴェリブでは自転車の破損や盗難による損害が問題となっており、オートリブでも同問題への対応が課題となるとされている。
\独『フランクフルターアルゲマイネ』紙によると、同プロジェクトの投資は約2億ユーロ。うち、ボロレは6,000万ユーロ、パリ市は3,500万ユーロを負担。同市周辺の自治体は駐車ステーション1カ所当たり5万ユーロを助成する計画。
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