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2011/1/28

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VW、1リットルカーの新コンセプトモデル「XL1」発表

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)はこのほど開催された第1回カタールモーターショー(1月26~29日)で、同社が取り組む1リットルカー戦略の新コンセプトモデル「XL1」を発表した。空気抵抗の低減と軽量化による低エミ […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)はこのほど開催された第1回カタールモーターショー(1月26~29日)で、同社が取り組む1リットルカー戦略の新コンセプトモデル「XL1」を発表した。空気抵抗の低減と軽量化による低エミッション化を追求したプラグインハイブリッド車で、走行100km当たりの燃費は0.9リットルに抑えている。

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1リットルカーとしては3代目となる同コンセプトカーは、電気モーター(出力20kW)と0.8リットルの2気筒コモンレールターボディーゼル(TDI)エンジン(35kW)を搭載。電気モーター単独では最大35kmを走行できる。0.8リットルTDIエンジンは「ゴルフ」や「パサート」に採用されている1.6リットルのTDIエンジンをベースとしている。

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重量は795kgと軽く、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が全体の21.3%(169kg)を占める。また、空気抵抗を低減するため、サイドミラーをなくし、カメラで代用するなどして、空気抵抗係数(Cd値)を0.186に抑えた。従来モデルではシートが前後に配置された2シートだったが、新モデルでは運転席と助手席が横に並ぶ配置となっている。

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また、10リットルの燃料タンクを装備し、電気モーターと合わせた総航続距離は約550km。時速0~100kmの加速性能は11.9秒。最高速度は160kmhに制限されている。

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変速機は7速デュアルクラッチトランスミッション(DSG)を採用。リチウムイオン電池を搭載し、ブレーキエネルギー回生システムも装備している。同モデルは欧州排ガス基準の「ユーロ6」に対応しており、安全システムのアンチロックブレーキシステム(ABS)や横滑り防止プログラム(ESP)も装備している。

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■ 「XL1」を2013年に小規模で量産化

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VWは「XL1」を2013年から小規模で量産化する計画だ。同社のフェルディナント・ピエヒ監査役会長がカタールで『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ(ANE)』紙に明らかにした。また、同社のマルティン・ヴィンターコルン社長は同紙に対し、「XL1」はドイツで先行販売し、欧州に続いて米国や中国市場にも投入する方針を示した。

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VWのウルリッヒ・ハーケンベルク開発担当取締役によると、同モデルは当初、約100台の小規模で生産する見通し。生産拠点は今後決定するものの、ドイツのボルフスブルクとドレスデンの2工場が有力視されているという。

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ピエヒ会長はANE紙に対し、「XL1」の開発はテスト走行が目的ではなく、市場投入を視野に入れていると明言。価格については「時期尚早」としてコメントを控えたが、同モデルに採用する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のコストが初代1リットルカーの3万5,000ユーロから、XL1では5,000ユーロに低下していると述べ、現実的な価格になることを示唆した。

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