米自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)は7日、欧州部門(欧州GM)の社長兼独オペル監査役会長であるニック・ライリー氏(61)が2012年3月末で退任すると発表した。欧州GMの新社長には来年1月からオペルのカールフリードリヒ・ストラッケ社長が兼任の形で就任する。オペル監査役会長の後任は未定。
\ライリー氏は02年、倒産した韓国の自動車メーカー大宇を買収して設立したGM大宇自動車の最高経営責任者(CEO)に就任。09年には経営再建の手腕を買われて欧州GM社長に起用され、翌年にオペルの最高経営責任者(CEO)となった。オペル再建では、ベルギーのアントワープ工場の閉鎖や欧州の4万8,000人の従業員のうち約8,000人削減するなど厳しいリストラ措置を実施した。ただ、『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が業界関係者の話として伝えたところによると、GMとの食い合いを避けるためにそれまで半ばタブーとされてきた欧州域外への進出を決めるなど、独自の再建策を強行したことで米GMの不興を買ったもようだ。GMはオペルの再建が概ね終了した昨年4月、ライリーCEOをオペル監査役会長に異動させ、新社長にGMグローバル・ビークル・エンジニアリング(米デトロイト)のストラック副社長を昇格させたいきさつがある。
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