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2015/11/6

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Stex

この記事の要約

独ザクセン州のケムニッツにあるフラウンホーファー工作機械プレス技術研究所(IWU)に9月30日に設立された織物構造システム・技術センター(STEX)。ケムニッツ工科大学の軽量構造・樹脂加工講座と共同で運営する。炭素繊維複 […]

独ザクセン州のケムニッツにあるフラウンホーファー工作機械プレス技術研究所(IWU)に9月30日に設立された織物構造システム・技術センター(STEX)。ケムニッツ工科大学の軽量構造・樹脂加工講座と共同で運営する。炭素繊維複合材(CFK)など高機能繊維材料の実用化に向けた研究に重点を置く。

ザクセン州はSTEXの設立に際し、2019年まで500万ユーロを支援する。ケムニッツにある工業技術団地に約750平方メートルのスペースを借り、オフィスと機械を導入する場所を確保する計画。センターの職員数は現在の5人から2019年までに人に拡大する予定。

ケムニッツは18世紀に綿織布の生産で栄え、綿織機の製造も盛んになった。現在もザクセン州には織物加工の企業が多く、同州では約250社が1万4,000人の業界就業者を抱えていると見積もられている。現在は、自動車産業向けの製品や工作機械、工業用布の生産が盛んなほか、航空産業、建設、医療向けの製品も生産されている。

近年では、自動車業界で炭素繊維複合材(CFK)が注目されている。CFKなど、軽量かつ耐久性に優れ、耐熱性や耐浸食性に優れた高性能な繊維素材は今後、業界成長のけん引役になると期待されている。

高性能繊維素材の販売を増やすためには、生産コストの低減が課題となっている。また、さまざまな製品の需要に対応できる生産技術の開発も課題となる。

STEXでは、研究拠点としてケムニッツの競争力を高めるとともに、研究開発の取り組みを実用化につなげていく役割を担っていく。

同センターは、オーバーラウジッツにある樹脂センターや、ボルフスブルクにあるオープンハイブリッドラボファクトリー、ケムニッツに2009年に設立された繊維軽量構造アライアンス(ATL:Allianz Textiler Leichtbau)とも協力していく。

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