独自動車大手のダイムラーが9月29日にパリ・モーターショーで発表したEモビリティに特化したメルセデス・ベンツの新ブランド。エレクトリック・インテリジェンス(Electric Intelligence)を意味しており、メルセデス・ベンツのブランドバリューである「エモーションとインテリジェンス」と連携している。
電気自動車だけでなく、ウォールボックス(家庭用充電装置)やケーブルを必要としない非接触式充電システム、公共の充電ステーションを探すためのアプリ、一般家庭用および産業用の定置用電池までEモビリティに関連した幅広い製品、サービス、技術、イノベーションに対応する。
■ CASE
ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長はパリ・モーターショーのプレス会見で、乗用車部門メルセデス・ベンツ・カーズの将来戦略の方向性を「CASE」という言葉にまとめて発表した。
「CASE」は、「接続性(Connected)」、「自動運転(Autonomous)」、「シェアリング及びサービス(Shared & Service)」、「電気駆動(Electric Drive)」の現在の自動車業界を取り巻く4つのトレンドを意味している。
ツェッチェ社長はこの4分野はそれぞれに自動車業界を大きく変える潜在性を持つが、真のレボリューションは各分野をインテリジェントに連携することにある、と説明した。
■ 「ジェネレーションEQ」
パリ・モーターショーでは、電気自動車のコンセプトカー「ジェネレーションEQ」を世界初公開した。同モデルは、「CASE」の4分野の連携を具現化し、包括的なインフォテイメント機能や、ケーブルを必要としない非接触式充電システム、自動運転機能を装備した。
また、電気自動車に特化したアーキテクチャをベースとしている。このアーキテクチャは、ホイールベースとトレッドの変更が可能で、システム部品はモジュール化し、SUV、セダン、クーペなど様々なタイプのモデルに柔軟に対応できるようにした。
前後の車軸にそれぞれ電気モーターを搭載し、最大出力300kWを確保した。1回のフル充電で最大500キロメートルを走行することができる。
■ スマート、全ラインアップでガソリン車と電気自動車を販売
パリ・モーターショーでは、超小型車ブランドのスマートも「フォーツー」「フォーフォー」「フォーツー・カブリオレ」の電気自動車モデルを世界初披露した。これによりスマートは、同ブランドが販売するすべてのモデルにガソリンモデルと電気自動車を設定することになる。