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2014/12/12

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この記事の要約

イタリアの主導で実施した欧州諸国のコンソーシアムによる小型電気自動車(EV)の開発プロジェクト。フィアット研究センター(CRF)が調整役を務めた。実施期間は2010年12月1日〜2014年5月31日まで。予算は374万7 […]

イタリアの主導で実施した欧州諸国のコンソーシアムによる小型電気自動車(EV)の開発プロジェクト。フィアット研究センター(CRF)が調整役を務めた。実施期間は2010年12月1日〜2014年5月31日まで。予算は374万732ユーロで、このうち欧州連合(EU)が261万ユーロを支援した。

英国のシェフィールド大学、デュポンのスイス法人(DuPont de Nemours International)、ポーランドのワルシャワ工科大学、フランスの研究・研修機関であるIFP新エネルギー(IFPEN)などが参加している。

同プロジェクトでは市街地での利用を想定した3シートの小型EVを開発した。車長3メートル以下、幅1.5メートルで、電池を除いた重量は600キログラム以下。電気モーター2基を搭載し、各モーターにリチウムイオン電池が配置されている。フル充電での航続距離は最大150キロメートル、最高速度は時速120キロメートル。日本の軽自動車の仕様も満たしているという。

充電池はソーラーパネルで発電した電力も充電する。北イタリアで使用した場合、ソーラーパネルからの電力だけで1日あたり平均20キロメートルを走行できるとしている。

同プロジェクトの関係者は欧州では2020年までにこのような小型EVの需要が100万台以上に拡大すると予想している。中国ではすでに小型EVの高い需要があり、多くの中国企業が同プロジェクトに関心を示したという。ただ、同プロジェクトでは欧州での小型EVの普及に重点をおいているという。

プロジェクトは2014年5月末に終了したが、コンソーシアムは研究開発を続けており、パイロットプロジェクトとして小型EVの組み立てラインを設けることを目指している。

2015年7月にも最初の車両を出荷できる見通しで、小規模で生産したEVを伊ピエモンテ州の地方自治体に供給する予定。

2016年第1四半期には、1カ月当たり1,000台を生産できる体制の構築を目指している。

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