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2015/11/13

クローズアップ

クローズアップ<323>Digitales Testfeld Autobahn

この記事の要約

ドイツのバイエルン州を通る高速道路(アウトバーン)A9号線のミュンヘン~ニュルンベルク間に設置されたデジタル技術の試験区間。車車間通信や車路間通信、自動運転技術などを実際の走行環境で試験することができる。 同区間は内外の […]

ドイツのバイエルン州を通る高速道路(アウトバーン)A9号線のミュンヘン~ニュルンベルク間に設置されたデジタル技術の試験区間。車車間通信や車路間通信、自動運転技術などを実際の走行環境で試験することができる。

同区間は内外の自動車・IT関連企業や研究機関が利用することができる。連邦政府はセンサーなどのインフラ整備に約2,500万ユーロを投資する。

11月9日には、同試験区間で初めて第4世代(4G)移動通信規格LTEを使った車車間通信の実証試験が行われた。今回のプロジェクトでは、2台の車両間の信号遷移時間を20ミリ秒以下に短縮ことに成功した(ミリ秒=1000分の1秒)。

プロジェクトには、ドイツの自動車部品大手コンチネンタル、電気通信大手ドイツテレコム、フラウンホーファー組込みシステム・通信技術研究所(ESK)、フィンランドの電気通信大手ノキア・ネットワークスが参加している。

今回のプロジェクトでは、車車間の通信時間を短縮するため、同区間にすでに整備されていたドイツテレコムのLTE移動通信網に、ノキア・ネットワークスの「モバイル・エッジ・コンピューティング」技術を導入した。

移動通信基地局に「クラウドレット」と呼ばれるモジュールを補足するもので、信号が通信網を通らずに、ローカルの無線LANセルの範囲内で移動するため、2台の車両間の信号遷移時間を約20ミリ秒に短縮することができた。

通常のLTE網を使用した場合、最速で約100ミリ秒、状況によっては数百ミリ秒を要するという。

車両にはそれぞれLTE網を経由して通信するための車載ユニットを搭載した。コンネンタルは車載機器のアプリケーションソフトウエアなどを開発した。また、フラウンホーファー研究所(ESK)は車両の位置を特定するためのソフトウエアを今回のプロジェクトに投入した。

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