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2015/1/16

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FIZ Future

この記事の要約

独高級車大手BMWグループが進める研究イノベーションセンター(FIZ:Forschungs- und Innovationszentrum)の拡張プロジェクト。「FIZ Future 2050」とも呼ばれる同プロジェクト […]

独高級車大手BMWグループが進める研究イノベーションセンター(FIZ:Forschungs- und Innovationszentrum)の拡張プロジェクト。「FIZ Future 2050」とも呼ばれる同プロジェクトでは、ミュンヘンにあるFIZを大幅に拡張し、人員も長期的に約1万5,000人増やす計画。

FIZではプロトタイプの開発や、駆動技術の開発、音響・振動に関する研究など幅広い分野の研究開発が行われている。拡張工事では、管理施設、研究施設、作業施設、試験施設、デザインスタジオなどの増築・新設が予定されている。

現在のFIZは、床面積が約110万平方メートルで、約2万6,000人が勤務している。FIZ Future プロジェクトでは、床面積を60万~80万平方メートル増築する計画。世界の建築事務所から103の設計案の応募があり、2014年9月には最終審査に残った6社の最終選考が行われた。最優秀賞に選ばれたのはベルリンの建築事務所HENNのコンセプトで、同案をベースに今後、ミュンヘン市なども交えて最終的な建設計画を練り上げていく。

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、拡張工事は2016年から開始する見通し。FIZの拡張にともない、高速道路や路面電車など近隣の交通インフラの工事も予定・検討されているという。

BMWがFIZの拡張プロジェクトに着手した背景には、同社の事業成長や、電気自動車、軽量化、ネットワーク化など自動車に求められる技術が変化・多様化したことなどがある。また、労働時間や労働環境モデルの変化に対応する必要もあるという。

FIZは1986年の開設から約30年が経っているため、拡張工事に加え、既存施設の近代化工事も行う。『オートモビルボッヘ』紙によると、2015年1月からオフィスビルの修繕工事を開始し、FIZ全体の近代化を終えるまでに約8年かかる計画という。

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