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2015/2/20

クローズアップ

Strom zu Gas

この記事の要約

再生可能エネルギーの余剰電力を利用して水から水素ガスを作るパワーツーガス(Power to Gas)施設の実証試験プロジェクト。独エネルギー大手Eonの元子会社で現在はドイツの自治体系エネルギー会社への少数出資事業を統括 […]

再生可能エネルギーの余剰電力を利用して水から水素ガスを作るパワーツーガス(Power to Gas)施設の実証試験プロジェクト。独エネルギー大手Eonの元子会社で現在はドイツの自治体系エネルギー会社への少数出資事業を統括するThuegaが調整役を務める。

実施期間は2012~2016年まで。フランクフルトに実証試験用施設を建設した。同施設は2013年11月末に試験稼働を開始し運転状況を見極めた後、2014年5月に正式に操業を開始した。今後は、運転状況などの情報を収集・分析していく。

また、将来は、再生可能エネルギー発電設備の発電量と電力消費量の需給に応じて運転を調節するシステムの導入も視野に入れている。当該システムに必要なソフトウエアはフラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所(ISE)が開発しているという。

水を電気分解して水素を取り出す電解装置(エレクトロライザー)にはプロトン交換膜を用いた高分子電解質膜(PEM)型技術を採用している。エレクトロライザーは、英ITMパワーから調達した。

生成した水素はそのままの状態で天然ガス供給網に注入している。同施設では、1時間あたり約60立方メートルの水素を生成することができる。ガス供給網に注入する割合は2%であることから、同施設で生成した水素ガスを含んだ天然ガスの供給量は1時間あたり約3,000立方メートルとなる。

同プロジェクトには、Thuegaグループの13社(Thuegaを含む)が参加している。予算総額は約150万ユーロで、ヘッセン州の環境・エネルギー・農業・消費者保護省や欧州連合(EU)が支援している。

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