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2012/6/22

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HAMMER

この記事の要約

ドイツのカッセル大学を中心とする研究チームが進めている木材を使用した自動車の軽量部材を研究開発するプロジェクト。自動車メーカーが環境にやさしいクルマづくりへの取り組みを強化しているなか、木材を使用して軽量で燃費改善に寄与 […]

ドイツのカッセル大学を中心とする研究チームが進めている木材を使用した自動車の軽量部材を研究開発するプロジェクト。自動車メーカーが環境にやさしいクルマづくりへの取り組みを強化しているなか、木材を使用して軽量で燃費改善に寄与する部材の開発を目指している。

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同プロジェクトは独連邦教育研究省が素材の研究開発プログラム「WING」の一環として2015年まで支援している。

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カッセル大学のベーム教授によると、ブナ材は鋼鉄の10分の1の重量で、3分の1の強度を確保できるという。強度は、木質繊維を樹脂や繊維、金属箔と組み合わせることで強化することができるとしている。

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また、研究チームによると、木材は変形するため衝突時のエネルギーを吸収する特性を持つ。燃焼や腐食の防止剤を浸透させる加工技術はすでに実用化されており、家具向けなどで木材を加工する機械もすでに開発されているという。

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木材はリサイクルが可能であるほか、アルミニウムなどの金属や樹脂に比べ加工に必要なエネルギー量が少ない利点もある。ブナ材はドイツの森林に豊富にあるため、輸送による二酸化炭素(CO2)排出量を抑えることもできる。

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研究チームは、現行モデルで軽金属や樹脂が使用されている部材を木材に置き換えることを目標としている。シートや床材、ドア、Bピラーなどに使用できると見込んでいるが、今後の研究でどの部分に木材の使用が適しているかを見極めていく方針だ。

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HAMMERには、フラウンホーファー木材研究所(WKI)やフォルクスワーゲン(VW)カッセル工場、エンジニアリング会社のザックス・エンジニアリング、木材加工業者のフリッツ・ベッカーが参加している。

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