欧州自動車産業情報、メーカーの動向、最新技術の情報を配信

2012/8/24

クローズアップ

miniBIP

この記事の要約

ドイツの研究チームによる燃料電池車向けの金属性バイポーラプレート(セパレーター)の開発研究プロジェクト。フラウンホーファー材料・ビーム技術研究所(IWS)のほか、自動車大手のダイムラー、鉄鋼大手のティッセンクルップ、マッ […]

ドイツの研究チームによる燃料電池車向けの金属性バイポーラプレート(セパレーター)の開発研究プロジェクト。フラウンホーファー材料・ビーム技術研究所(IWS)のほか、自動車大手のダイムラー、鉄鋼大手のティッセンクルップ、マックスプランク鉄研究所、フラウンホーファー被膜・表面技術研究所(IST)が参加している。

\

同プロジェクトは2012年6月にスタートした。期間は42カ月。予算は総額515万ユーロ。

\

\

水素を動力源とする燃料電池車は現在の開発レベルですでに航続距離が400kmと長く、燃料の補給にかかる時間も現在主流のガソリンやディーゼル車とほとんど変わらない。

\

燃料電池は、水素と空気中の酸素を反応させて電気と水を発生させる仕組み。構造は、2枚のバイポーラプレートを合わせた燃料電池セルを50~200個組み合わせて一つのスタックをつくり上げる。

\

\

バイポーラプレートはこれまでグラファイト(黒鉛)または黒鉛を含んだ樹脂を材料としていたが、同プロジェクトでは、高級鋼材(ステンレス鋼)を使用することにより、より小さく、軽量なバイポーラプレートを、より速く、安く生産できると見込んでいる。

\

\

ただし、ステンレス鋼は表面に保護層があるため、耐食性に優れる一方、電気抵抗が高い難点がある。このため、同プロジェクトでは、フラウンホーファー材料・ビーム技術研究所(IWS)の表面加工に関するノウハウを活用し、保護層を取り除き、窒素を濃縮した表面層をつくるか、黒鉛に似た樹脂層をつくることを計画している。このような加工処理により、ステンレスと黒鉛の利点を生かしたバイポーラプレートを開発する。

\

 

\

研究チームは、さまざまな材料と性能を実験した後、50のセルを組み合わせた燃料電池を試作し、実験室で詳しく分析することを計画している。

\
企業情報 - 部品メーカー
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |