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2014/10/24

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この記事の要約

ドイツのベルリン・シェーネフェルトに建設されたマルチエネルギー供給ステーションの実証試験プロジェクト。ガソリン、ディーゼル燃料のほか、水素、天然ガス(CNG)、液化石油ガス(LPG)の燃料を供給することができる。また、コ […]

ドイツのベルリン・シェーネフェルトに建設されたマルチエネルギー供給ステーションの実証試験プロジェクト。ガソリン、ディーゼル燃料のほか、水素、天然ガス(CNG)、液化石油ガス(LPG)の燃料を供給することができる。また、コンバインド チャージング システム(CCS)式の急速充電設備も設置している。

同ステーションでは近くにある風力発電所とステーションに設置した太陽光発電システムで発電した電気を使用して電解槽で水素を生成する。水素はタンクおよび固体水素貯蔵システムに貯蔵する。

ステーションには、乗用車用とバス用の水素供給スタンドが1基ずつ設置されている。また、水素から電気と熱を発生させる熱電供給システムがあり、ステーションの運営に必要な電気や熱エネルギーを供給する。熱電供給システムは天然ガスでも作動する仕組み。また、再生可能エネルギーから生成した水素を公共の天然ガス供給網に流し込むこともできる。

このマルチエネルギー供給ステーションは仏石油大手のトタルが運営する。ステーションの屋根に設置した太陽光発電システムは、トタル子会社のサンパワーが供給した。また、ステーション近くの風力発電所は、独風力発電会社のエネルトラーク(Enertrag)が運営する。

仏マクフィー製の電解槽では、1日当たり約200キログラムの水素を生産できる。約50台の燃料電池車に対応できるという。マクフィーの固体水素貯蔵システムの容量は100キログラムで、独工業ガス大手のリンデは水素をガス状で貯蔵するタンクを供給した。リンデはこのほか、電解槽で水素を生成してからスタンドで車両に水素燃料を供給するまでの間の水素の流れを処理・管理する技術を投入している。ドイツの熱電供給システムメーカーの2Gもプロジェクトに参加している。

同プロジェクトの参加企業は2016年までに1,000万ユーロ以上を投資する計画であり、ドイツ政府はこのうち50%を支援する。

ドイツ政府が支援する水素燃料の実用化を目指すプロジェクト「クリーン・エネルギー・パートナーシップ」の一環として、ベルリンでは現在、水素を燃料とする乗用車やバスが50台以上、走行している。

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