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2011/3/25

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E10

この記事の要約

バイオ燃料の混合率が10%のガソリン。今年1月から販売を開始したドイツでは販売が振るわず、混乱が生じている。欧州ではフランスが2009年にE10の販売を開始、スウェーデンではエタノールの混合率が85%の「E85」も販売さ […]

バイオ燃料の混合率が10%のガソリン。今年1月から販売を開始したドイツでは販売が振るわず、混乱が生じている。欧州ではフランスが2009年にE10の販売を開始、スウェーデンではエタノールの混合率が85%の「E85」も販売されている。

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ドイツでは3月8日に政府・業界による円卓会議が開かれ、E10の販売促進に向けて消費者への啓蒙活動を強化することなどで合意した。しかし、依然として販売低迷は続いている。

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石油大手のエッソやシェルは当初、3月末までにドイツ全域にE10の給油スタンドを整備する計画だったが、販売低迷を受けて導入を差し控えている。ドイツではこれまで東部と南部でE10が導入されてきたが、北部、西部では先送りされており、地域差が生じている。

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同国ではこれまで、エタノール混合率が5%のスーパーハイオクガソリン(Super Plus)が販売されてきた。業界団体によると、約90%の車両は問題なくE10で走行できるが、国内の登録車両のうち約310万台の自動車、約100万台の自動二輪がE10に適応していない。このため、スーパーハイオクガソリンも継続して販売されており、多くのドライバーはE10の導入後も、従通りスーパーハイオクガソリンを給油しているもようだ。

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E10を回避する理由としては、車両がE10に対応しているか不安、給油する燃料を決められたくない(好きな燃料を入れたい)など、が挙げられている。E10の販売はEU指令に基づくもで、二酸化炭素(CO2)の排出量削減などを目指した環境政策の一環だが、ドライバーの中には環境に悪いと考える人もいる。

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独調査会社のTEMA-Qが2011年3月14~18日に国内のドライバー224人を対象に実施したアンケート調査では、全体の79%が「E10の導入撤回に賛成する」と回答した。

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これまでにE10を使用したことある人は全体の27%にとどまり、E10を使用しない理由(複数回答可)では、「エンジンの故障が心配」が38%で最も多かった。

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 また、「E10が環境に良い」と考える人は全体の14%にとどまり、「E10は環境に悪い」と考える人の割合(29%)を下回った。「その他の燃料と変わらないと思う」は25%、「わからない」は32%だった。

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