固体高分子形燃料電池(PEM)を使用した自動車用の燃料電池スタックを開発する研究開発プロジェクト。調整役は、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク太陽エネルギー水素研究センター(ZSW)で、自動車メーカーや部材メーカーなど9社と5つの研究機関(計14社・機関)が参加している。
実施期間は2013年5月1日~2016年9月31日(40カ月)。予算総額1,471万ユーロのうち約777万ユーロは公的支援を受ける。
同プロジェクトは、既存のプロジェクト「Auto‐Stack」の成果をベースに、スタックや部材の仕様を見直すとともに、量産化を想定した部材の開発やコスト削減に取り組む。
3段階に分けて進める計画で、第1~2段階で名目出力が95kWおよび127kWの燃料電池を組み立て試験した結果を第3段階のデザインに反映させる。
具体的には、金属製バイポーラプレートに適した低コストかつ高性能の膜・電極接合体(MEA)の開発、セルピッチが1.5mmより小さく、1kW当たりの生産コストが10ユーロを下回るバイポーラプレートの開発、スタックのバランスなどに取り組む。
プロジェクト開始から20カ月後には、95kWの燃料電池スタックの開発を終え、テストベンチで試験を実施している。当該スタックは重量47キログラム、体積35リットル、出力密度2.7kW/リットルとなる。