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2015/1/30

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LiCaFib

この記事の要約

植物の構成成分であるリグニンをベースにした炭素繊維を製造するための基盤となる技術の開発に取り組むドイツの研究開発プロジェクト。2014年12月1日にスタートした。フラウンフォーファー応用ポリマー研究所(IAP)とブレーメ […]

植物の構成成分であるリグニンをベースにした炭素繊維を製造するための基盤となる技術の開発に取り組むドイツの研究開発プロジェクト。2014年12月1日にスタートした。フラウンフォーファー応用ポリマー研究所(IAP)とブレーメン繊維研究所が参加している。研究チームは、リグニンをベースにした炭素繊維は、ポリアクリロニトリルやピッチ(石油などの副生成物)から製造する炭素繊維よりも低価格で量産できると見込んでいる。

プロジェクトの実施期間は3年。ドイツ連邦食糧農業省(BMEL)が再生可能資源協会(FNR)を通して支援している。また、フィンランドの製紙大手ストラ・エンソ、欧州航空機大手のエアバスも同プロジェクトを支援している。

研究チームはリグニンをベースにしたプレカーサー(炭素繊維原糸)を製造する技術などの研究に取り組む。

木材からとれるリグニンには炭素が約55~66%含まれており、同プロジェクトでは、リグニンベースの炭素繊維の価格を長期的には1キログラム当たり約4.50ユーロに抑えることができると見込んでいる。この価格は、ポリアクリロニトリルから生産する炭素繊維の価格(1キログラム当たり9.50ユーロ以上)を大幅に下回る。

また最終的には、航空機に使用できる水準の製品の開発を視野に入れており、引張強度で約1.5GPa、引張弾性率は約150GPaの炭素繊維を製造できる技術の開発を目指しているという。

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