独高級車大手のアウディが調整役を務めるレーザーヘッドライトの研究開発プロジェクト。ドイツ連邦教育研究省(BMBF)が実施する半導体照明に関する研究開発支援プログラム「Photonik Forschung」の一環に位置付けられる。
実施期間は2014年8月1日~2017年7月31日までの3年間。プロジェクト予算は8,000万ユーロで、BMBFが約46%を支援している。
同プロジェクトでは、周辺環境をスキャンシステムにより把握し、遠方を照らすハイビームや近い場所を照らすロービームを状況に応じて柔軟に調整することにより、ドライバーや前走車、対向車の安全性、快適性の向上を目指す。
レーザーヘッドライトでは、従来に比べ高輝度の光源を得られるほか、点灯・消灯の切り替えの瞬時性に優れる、ヘッドライトの小型化が可能になるなどの利点があるという。また、低速度の走行時にはより幅広い面積を照射したり、高速度での走行では、より遠方を照らすことができるという。
今回のプロジェクトには、アウディのほか、ドイツの照明機器大手オスラムや自動車部品大手のロバート・ボッシュ、カールスルーエ技術研究所(KIT)が参加している。
アウディのマトリックスレーザーヘッドライトでは、オスラムの青色半導体レーザーをコンバーターで白色光源に変換し、ボッシュ製のミラーに反射させて道路に照射しているという。
アウディは2014年に特別限定車「R8 LMX」により、レーザーライト技術をヘッドライトに採用した標準量産車を世界で初めて市場投入するなど、レーザーライト技術の導入に積極的に取り組んでいる。