アルセロールと日本製鉄、印エッサールの共同買収完了

鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)と日本製鉄は12月16日、経営再建中のインド鉄鋼大手エッサール・スチールの共同買収が完了したと発表した。エッサールは両社の傘下に入り、再生を目指して新たなスタートを切る。

アルセロールと日本製鉄は合弁会社「アルセロール・ミタル・ニッポンスチール・インディア」を通じてエッサールを運営していく。合弁会社の出資比率はアルセロールが60%、日本製鉄が40%。

アルセロールと日本製鉄(当時の社名は新日鉄住金)は2018年3月、巨額の債務を抱えて経営に行き詰まりインドの倒産・破産法を適用されたエッサールを共同買収することで合意。債権者間の資金配分をめぐる対立などで買収手続きが遅れていたが、11月にインドの最高裁判所が買収計画を承認し、障害がなくなっていた。

買収額は5,000億ルピー(約7,700億円)。うち4,200億ルピーはエッサールの債務返済に充てる。

エッサールは年960万トンの粗鋼生産能力を持つインド有数の鉄鋼メーカー。国内3位規模の鉄源一貫製鉄所を保有する。アルセロールと日本製鉄は同社の買収により、成長を続けるインド鉄鋼市場で大きな基盤を確保。両社の強みを持ち寄ってエッサールの再建、事業拡大を進め、同国の鉄鋼需要を取り込むことを目指す。

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