LaneCharge

電気自動車の非接触型(ワイヤレス)充電技術に関するドイツの共同開発プロジェクト。地面に埋め込まれた充電設備から無線で充電できる技術をタクシー用電気自動車に導入することを目指している。

電気自動車の航続距離を延ばすためには、大型の電池を搭載しなければならず、重量が重くなる問題がある。電池が大型になると、電気自動車の価格も高くなり、タクシー事業者の調達コストの負担も大きくなる。

今回のプロジェクトでは、タクシー乗り場で待機中に頻繁に充電できるようにすることで、小型の車載電池でも長時間の稼働が可能になり、タクシーにおける電気自動車の普及が進むと期待している。

プロジェクトに参加する独エンジニアリング会社のエダックは、車体と地中に埋め込む充電設備を逆にしたシステムを開発した。従来は地面に埋め込まれていた充電設備を車両に組み込み、車体に組み込まれていた設備を地中に設置する。

従来方式では、WLANなどによりリアルタイムの通信技術で地中の充電設備を制御する必要があったが、複数の車両が充電する場合には、1台の車両に対応して制御することしかできなかった。エダックは、車体に充電設備を搭載することで、個々の車両の充電需要に合わせて充電設備を制御できるようにした。同社は、当該技術の特許を申請している。

同プロジェクトが開発するワイヤレス充電技術は、ハノーバー応用科学大学で試験した後、2023年にハノーバー中央駅のタクシースタンドで実証試験を行う計画。

プロジェクトには、エダックのほか、ハノーバー応用科学大学、ブラウンシュヴァイク工科大学、スミダコーポレーションのドイツ法人(SUMIDA Components & Modules)、ハノーバーのタクシー会社Hallo Taxi 3811が参加している。

ドイツ連邦交通・デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)は当該プロジェクトに277万ユーロを資金支援している。

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