リチウムイオン電池のリサイクルに関するドイツの産学連携プロジェクト。リチウムイオン電池は90%以上の材料を再利用できるとされている。当該プロジェクトでは、より高いリサイクル率を目指しており、物流コンセプトからバッテリーのライフサイクルへのリサイクル部材の統合までを網羅する総合的なリサイクルコンセプトの開発に取り組む。
当該プロジェクトでは、リサイクルプロセスで使用するエネルギー消費が比較的少ない機械的湿式製錬により、リチウムイオン電池をリサイクル処理する。機械的に分離できない部材は、比較的低温の水や化学物質を使用して分解する。
クッペンヘイムにあるメルセデスベンツの拠点に、年間処理能力が2,500トンのパイロットリサイクルプラントを設ける計画。
プロジェクトに参加するカールスルーエ技術研究所(KIT)は、例えば、リサイクル部材に求められる品質など、リサイクルにより得られた部材が新しいバッテリーの生産に活用できるかの適正を検査する過程を研究する。
プロジェクトの調整役は、独自動車大手メルセデスベンツの100%子会社であるLicularが務める。Licularは2021年の設立で、リチウムイオン電池のリサイクルを事業とする。このほか、メルセデスベンツ、ダイムラー・トラック、Primobius、SMSグループ、クラウスタール工科大学、ベルリン工科大学もプロジェクトに参加している。
ドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)が約1,700万ユーロを支援している。うち、KITは約120万ユーロの資金支援を得る。