独バイエルン州のヴンジーデルで14日、大型の水素生成プラントが操業を開始した。当該プラントは、太陽光発電や風力発電を使用したグリーン水素を年最大1,350トン生成することができる。これは、1日あたりの走行距離を150キロメートルとした場合、水素を燃料とする40トントラック400台が1年間、二酸化炭素(CO2)を排出せずに走行できる計算となる。化石燃料をグリーン水素に置き換えた場合、年1万3,500トンのCO2排出量を削減することができる。
当該プロジェクトでは、独電機大手シーメンスのグループ会社シーメンス・スマート・インフラストラクチャが総合コントラクターとして、プラント全体とインテリジェントな監視・制御技術を活用したエネルギーネットワークの構築を担当した。
独エネルギー設備大手のシーメンス・エナジーは、総出力8.75メガワットの水電解装置(エレクトロライザー)「Silyzer 300」を提供している。
生成したグリーン水素は、トラックトレーラーで約150~200キロメートルの範囲内の最終顧客に配送する。主に、周辺地域にあるガラス・セラミック産業や輸送会社、自動車部品会社、近隣の製材所など、地域の産業・商業施設や交通分野に利用する。
当該プラントの運営会社WUN H2には、シーメンス・フィナンシャル・サービスと自治体系事業所のシュタットヴェルケ・ヴンジーデル(SWW)がそれぞれ45%を出資するほか、地域のガス会社リースナー・ガーゼも資本参加している。
2023年にはヴンジーデルのエネルギーパークに水素充填ステーションを整備する計画もある。また、現在すでに、水電解装置を現在の2倍の17.5メガワットに拡張する計画についても検討している。