Mercedes me Flexperience

独自動車大手ダイムラーの乗用車ブランド、メルセデスベンツが提供する新しいモビリティサービス。毎月の固定料金で1年間に12モデルまで利用できる。カテゴリーは、「A」、「C」、「E」、「S」の4段階に分かれており、利用できるモデルや料金が異なる(「A」:月750ユーロ、「S」:月1,800ユーロ)。ドイツのディーラ大手BERESAとLUEGの2社がパイロットプロジェクトとしてサービスを提供している。

同サービスでは例えば、週末にカブリオレを利用したり、休暇用にSUVを選択したりして、顧客ニーズに合わせた柔軟な自動車の利用(car on demand)が可能になる。

顧客はアプリを使って希望モデルの選択、車両の受け取り・返却など一連の手続きを行うことができる。また、利用した車両の履歴や、車両データ(走行距離、燃料の残量)などもアプリで確認することができる。

固定料金には、税金、保険、メンテナンス、修理などが含まれている(年間走行距離:3万6,000キロメートルまで)。また、顧客はいつでもカテゴリーをアップグレードすることができる。

この新サービスは、ダイムラーが新しい事業モデルなどのイノベーションを推進するために設置した組織「Lab 1886」がメルセデスベンツ・バンクのレンタカーサービス「メルセデスベンツ・レント」を基盤に開発した。

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、パイロットプロジェクトに参加するBERESAのウルムス社長は、「自動車をめぐるエコシステム(生態系)で優位に立つためには、従来の事業モデルにとらわれない革新的なコンセプトを新たに考える必要がある」との見解を示している。

また、ダイムラーの乗用車部門メルセデスベンツカーズのブリッタ・ゼーガー取締役(販売担当)は従来の自動車販売店の将来性について、「販売店の巨体なネットワークは我々の大きな強みであり、ネット経由での顧客との接点と並行し、店舗での顧客とのやり取りは今後も存在し続ける」と述べ、販売店の存続を支持する見解を示している。

BERESAグループの2017年の売上高は7億600万ユーロで、従業員数は1,000人を超える。2017年は1万6,570台(新車・中古車)を販売した。

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