Smart-RCS

自動車の各乗員の特徴や事故発生時の状況に合わせて作動するインテリジェントなシートベルトシステムを開発する欧州の共同研究開発プロジェクト。欧州連合(EU)の研究・イノベーション助成プログラム「ホライズン2020:Fast Track to Innovation」の資金支援を受けている。

プロジェクトには、ソフトウエア会社のemotion3D、エンジニアリング会社のAVL(以上、オーストリア)、スウェーデンの自動車安全システム大手オートリブから分社化した自動車部品会社ヴィオニアが参加している。プロジェクトの実施期間は24カ月。

エアバッグやシートベルトなど、事故の被害を最小限にとどめるためのパッシブセーフティ製品は通常、「平均的な乗員」を基準に開発されており、多くの場合は、身長175センチメートル、体重78キログラムの男性を基準としている。このため、子供や女性、高齢者など、平均的な基準に当てはまらない乗員では、事故発生時に安全システムが適切に機能せず、深刻な負傷を追うリスクが高まる問題がある。

当該プロジェクトでは、このような問題を解決するため、3Dセンサーにより、車内の状況を掌握し、乗員の体型や体重、性別などの身体的な特徴や、位置・姿勢などの状況的な要素に合わせて作動するスマート・シートベルトシステムの開発に取り組む。

具体的には、ヴィオニアがスマート・シートベルトシステムのハードウエアや制御システムの開発を担当する。emotion3Dは、カメラベースの車内監視ソフトウエアなど3D解析ソフトの分野で協力する。AVLは、自動車分野の試験・シミュレーションを事業としており、スマート・シートベルトシステム向けの新しい試験・認証技術の開発に取り組む。

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