Synaos

人工知能(AI)やクラウド技術を活用した工場の構内運搬用ソフトウエアを開発するドイツの新興企業。2018年9月の設立で、ハノーバーに本社を置く。

同社のソフトウエアを導入した構内運搬車は、事前に決められたルートを走行するのではなく、人工知能(AI)により、状況に応じて柔軟に走行ルートを変更することができる。これより、生産と物流の連携が円滑になり、構内運搬の効率が改善される。投入する輸送ロボットの数は減り、遅延も大幅に改善する。

社名「Synaos」は、物流現場の混沌(カオス)を同期調整する(シンクロナイズする)に由来している。

創業者であるヴォルフガング・ハッケンベルク氏、レナート・ボフマン氏、トビアス・ガーゲルン氏の3人は、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の未来の生産・物流システムを開発する「Smart.Production:Lab」で知り合った。

当時、ハッケンベルクはVWの当該ラボを統括しており、ボフマン氏は当該ラボで生産の最適化をテーマにした博士論文を、ガーゲルン氏は修士論文を執筆した。

このような背景から、同社はすでに、VWの電気自動車を生産するツヴィッカウ工場で使用する自動制御の輸送ロボットを制御するソフトウエアの開発を受注している。

現在は、ハッケンベルク氏が最高経営責任者(CEO)として主に経営戦略を、ボフマン氏が最高製品責任者(CPO)として製品開発、ガーゲルン氏は最高技術責任者(CTO)として研究開発を統括する。

独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、同社の従業員数は現在63人で、年内に約80人に増える見通し。今後に向けては、VW以外にも顧客を広げるほか、フォークリフトにも同社のソフトウエアを導入することも視野に入れている。

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