2010/1/4

産業・貿易

鉄道旅客の権利強化、新ルールが施行

この記事の要約

鉄道旅客の権利強化に向けたEUの新規則が昨年末に施行された。運行の遅延、死亡事故への補償などについて共通のルールを定めたもので、域内の国境を越えて走る国際列車だけでなくローカル線にも適用される。\ 新ルールは2007年9 […]

鉄道旅客の権利強化に向けたEUの新規則が昨年末に施行された。運行の遅延、死亡事故への補償などについて共通のルールを定めたもので、域内の国境を越えて走る国際列車だけでなくローカル線にも適用される。

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新ルールは2007年9月に可決された。運行が遅れた場合の補償として、鉄道会社は60分~2時間の遅延で運賃の最低25%、120分を超えると同50%を払い戻さなければならない。死亡事故が起きた際には、正式な補償が決まる前に、死者1人当たり最低21万ユーロを即座に支払うことを求められる。遺失荷物については、1個につき最高1,285ユーロの補償金が支払われる。

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新ルールは2009年末に施行されたが、すぐに対応できない加盟国は国内路線に限り、実施を最長15年遅らせることが認められる。

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EUでは航空会社のオーバーブッキングによる搭乗拒否や欠便、運航遅延などの被害を受けた乗客に対する補償を定めたルールが導入済み。さらに欧州委員会は、バス、船舶についても同様の法案を08年に提出しており、年内にも施行の見通し。これにより公共輸送機関の乗客の権利を守るための法整備が完了することになる。

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