2010/1/25

欧州ビジネスウオッチ

キャドバリー、クラフトの買収案受け入れ

この記事の要約

英製菓大手キャドバリーは19日、米食品大手クラフト・フーズの買収提案を受け入れると発表した。キャドバリーは買収を拒否してきたが、クラフトが買収総額を従来の105億ポンドから119億ポンドに引き上げたことを評価し、方針を転 […]

英製菓大手キャドバリーは19日、米食品大手クラフト・フーズの買収提案を受け入れると発表した。キャドバリーは買収を拒否してきたが、クラフトが買収総額を従来の105億ポンドから119億ポンドに引き上げたことを評価し、方針を転換。株主に対して買収に応じるよう勧告した。これにより4カ月に及ぶ攻防戦が決着し、友好的な買収が成立する見通しとなった。

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クラフトは昨年9月、キャドバリーに102億ポンドでの買収を提案。キャドバリーが価格を不服として拒否したことから敵対的買収に踏み切り、昨年末に株式公開買い付け(TOB)を開始した。しかしTOBは不調で、今月初めに買収額を105億ポンドまで引き上げたが、なおキャドバリーは反発していた。

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新たな買収提案は、従来の1株当たり現金300ペンスとクラフト株式0.2589株に対して、現金500ペンスとクラフト株0.1874株という内容。さらに1株当たり10ペンスの特別配当を支払う。キャドバリーを1株当たり850ペンスと評価した形だ。同価格は従来の770ペンスを約9%上回る。キャドバリー側は同提案を「当社の株主に十分な価値をもたらす」(ロジャー・カー会長)として、受け入れを表明した。

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クラフトはビスケットの「オレオ」やコーヒー「マックスウェル・ハウス」などのブランドを展開する総合食品メーカー。キャドバリーはガムの「トライデント」、チョコレートなどで知られる。買収が実現すれば、クラフトは製菓で世界最大級となる。

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