2010/2/1

環境・通信・その他

欧州通信監督機関が始動、初代委員長など選出

この記事の要約

EUの新たな電気通信規制法に基づいて創設された「欧州通信監督機関(BEREC)」がこのほど、正式に活動を開始した。BERECは通信分野における単一市場の確立に向けてEU全体で一貫した規制を実施するため、欧州委員会および各 […]

EUの新たな電気通信規制法に基づいて創設された「欧州通信監督機関(BEREC)」がこのほど、正式に活動を開始した。BERECは通信分野における単一市場の確立に向けてEU全体で一貫した規制を実施するため、欧州委員会および各国の通信当局に勧告や助言を行う。

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EUは昨年12月、域内の通信市場における競争の促進と利用者の権利強化を目的とする通信規制改革法を施行した。BERECはEU全体の規制について協議する従来の枠組み「欧州規制監督グループ(ERG)」の機能と権限を強化したもので、加盟国の通信当局のトップで構成される。欧州委はBERECを規制改革の柱のひとつと位置づけ、EU各国の規制に対する拒否権の行使、無線周波数の割り当てを一括管理するなどの権限を与える計画だった。しかし、自国の権限縮小を懸念する一部加盟国の強い反発で当初の構想は大幅な修正を迫られた。

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BERECは1月28日にブリュッセルで第1回会合を開き、アイルランドのComRegを率いるジョン・ドハーティ氏を初代委員長に選出した。さらにオランダ、スペイン、ドイツの通信監督機関のトップが副委員長に任命された。任期はそれぞれ1年で、2011年はオランダOPTAのChris Fontejin氏が委員長に就任する。一方、BERECの所在地は加盟国の話し合いで決定するが、当面はブリュッセルに活動の拠点を置く。

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欧州委のレディング委員(情報社会・メディア担当)は「EU全体をカバーする監督機関の創設は欧州通信市場にとって画期的な出来事だ。BERECはEU全域で一貫性のあるルールと公正な競争条件を確保するため、各国の通信当局と欧州委をサポートする。これによって域内の通信市場が活性化され、欧州経済の回復に向けた原動力になるだろう」と強調。また、クルース委員(競争政策担当)は「BERECの創設を機に通信分野における単一市場の実現に向けた取り組みが前進することを期待している」とコメントした。

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