2010/2/8

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、英中銀は量的緩和拡大休止

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は4日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは9カ月連続。一方、英中銀のイングランド銀行(BOE) […]

欧州中央銀行(ECB)は4日にフランクフルトで開いた定例政策理事会で、ユーロ圏16カ国に適用される最重要政策金利を現行の年1.0%に据え置くことを決めた。金利据え置きは9カ月連続。一方、英中銀のイングランド銀行(BOE)は同日の金融政策委員会で、政策金利を現行の年0.5%に据え置くと同時に、量的緩和策を拡大しないことを決めた。

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ECBの金利据え置きは予想通り。トリシェ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏の景気は回復に向かっているが「回復のペースは緩やか」とした上で、「回復にはむらがあり、先行きは不透明だ」と指摘。ユーロ圏のインフレ率が許容範囲内にあり、物価上層圧力が急速に強まる恐れがないとの見通しも示し、現行の金利水準は「適切」と強調した。

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ECBは景気回復を受けて、非常時の金融政策を元に戻す「出口戦略」を昨年12月に開始し、特別公開市場操作(オペレーション)での1年物資金供給を昨年12月に打ち切った。トリシェ総裁は来月の理事会で追加措置に踏み切るかどうかを検討することを明らかにしており、その決定が注目される。

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BOEは昨年3月に、金融機関から国債などを買い取る量的緩和策を導入。買い取りが上限に達するたびに資金枠を拡大してきた。現行の資金枠2,000億ポンドも上限に達しているが、初めて拡大を見送った。

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量的緩和拡大の休止は、英経済が昨年10-12月期に、7四半期ぶりにプラス成長に転じたことが材料となった。ただ、プラス幅は前期比0.1%と小さく、なお景気動向は不安定なことから、BOEは必要に応じて資金枠を拡大する姿勢を示している。

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